志道館学舎では、「身体知」という概念に着目し、柔道をはじめとした運動・体育を保育カリキュラムに取り入れています。

「身体知(しんたいち)」という言葉、初めて耳にする方も多いかも知れません。
まずは、言葉の意味を見てみましょう。
身体知(しんたいち)」とは、一言で言えば「頭で考えなくても、体が勝手に動くレベルで身についた知識や技術」のことです。
「暗黙知」の一種とも言われ、言葉やマニュアルで説明するのが難しい、経験に裏打ちされた知恵を指します。
例えば、自転車に乗る
「右に◯度傾いたら、ハンドルを左に◯度切る」とは考えませんよね。
一度覚えると、数年乗っていなくても体が覚えています。
なぜ「身体知」が重要なのか?
現代はAIやデータ(形式知)が溢れていますが、身体知にはそれに代えがたい3つの特徴があります。
●即時性: 思考を挟まないため、一瞬の判断や動作が可能です。
●状況適応力: マニュアルにない「絶妙な加減」や「違和感」に気づくことができます。
●継承の難しさ: 本を読んだだけでは身につきません。実際に動いて、失敗して、繰り返すことでしか得られない「自分だけの資産」になります。身体知は、人間の知識と経験をより総合的に理解するための重要なキーワードとなっています。
また、身体知の研究は、身心の健康や福祉の分野でも応用され、ますます注目を集めています。身体と心、そして知識がどのように絡み合っているかを理解することで、人間の豊かな生活が実現できると考えられています。
現代は、AIに
「人を感動させる文章を作って!」
「プレゼンで成功するために、よいフレーズを考えて!」
「英訳して!丁寧な文章で!」とお願いすれば、いとも簡単に要望通りのものが作れてしまう時代です。
AIの精度はどんどん磨かれていくことでしょう。
私の知り合いの英語が堪能な国際的弁護士が、「英訳の精度はどんどん上がっている、いずれ私の仕事もなくなると思う」と話されていました。
AIが今まで以上に発達していくであろうこれからの時代は、「どんな言語で、何を話すか?」よりも、「誰から発せられた言葉なのか?」がとても重要になると、私自身は感じています。
今から約20年前にベストセラーとなった『人が見た目が9割(新潮新書/竹内一郎著)』では、「何を話すか」よりも「どのように見えるか・聞こえるか」がいかに人間に強い影響を与えるかを解説され非言語コミュニケーションの重要性が説かれていました。
その人から発せられる言語以外のシグナルはとても重要です。
幼少期から運動に慣れ親しむことで、自分の身体を通して得られる知識や感覚は一生もののスキルとなることでしょう。
また、自分の思い通りに身体が動かせるようになると、それは子どもたちにとって大きな自信となることは間違いありません。



学舎での生活、活動を通して、生きる上での基盤となる「身体知」を身につけ人生の可能性を大いに広げてほしいと願っています。
代表 坂東真夕子






















