前回は柔道の創始者である嘉納師範の思想について触れました。
“柔道”は身体を鍛え、豊かでしなやかな心を育み、頭もよくなる!①
https://shidokangakusha.bunbuichido.net/20251015judo-is-great_1/
今回は柔道が子どもの心身の発育発達にどの様な影響を及ぼすのか、考えてみたいと思います。
幼児期における身体的発達の重要性
幼児期では、身体的発達が、いかなる発達段階よりもはるかに重要な意義を持っている。
なぜならば、それは、単に自己だけに関わる生理的な力の静的な発達ではなく、遊びを中心として展開される彼の全生活に深いつながりを持つ、きわめてダイナミックな意味をもつものだからである。
※一般社団法人 日本少年体育協会[編] 幼児体育指導者検定公式テキストより抜粋
人は幼児期に運動能力が飛躍的に増大する、と言われおり、運動能力全体や手指の運動などと知能や言語活動などの間に、ある程度の積極的な相関関係があることが知られています。
体力がつき、自分が思う様に身体を動かせるようになった子どもは自信がつき、社会性の発達を促します。身体を動かし、身体を通してコミュニケーションを図ることで脳や心を発達させるのです。

まずは身体を鍛えること、幼児期はこれが重要なのです。そしてそこから得る小さな成功体験も“自己肯定感”を育む一因となってくれることでしょう。
『志道館学舎』の取り組み
『志道館学舎』では、3歳児以上が週2回・1回約60分ほど柔道の稽古をしています。
柔道の技術を高めるというよりは、その前段階である「体幹」を鍛えること,「自分の身体を思い通りに動かせるようになること」を重要視しています。

前述したように、まずは身体の発達があってこそ、心や脳の発達がある、と考えているからです。
走る、片足で立つ、スキップ、前転、後転、ブリッジ、ハイハイ、カエル、ほふく前進、クモ、ゴリラ、アザラシ、クマ等々、楽しく基礎体力を強化します。
また、柔道は受身、投技、抑込技、どれをとっても全身運動です。
投技の一つをとっても、上半身から下半身まで体力を使いますし、崩しの方向や一歩目の足の位置まで神経・頭も使います。

『志道館学舎』の子どもたちには、しっかりと基礎体力を養い、実り多き豊かな人生を歩んで欲しいと思います。
柔道をやるとサッカーもうまくなる!サッカー名門クラブチーム アヤックス(オランダ)の取り組み。
※ご参考
保育園児たちよりは少し上の年代の子どもたちの話しになりますが、オランダ名門サッカーチームが柔道を取り入れている、という記事をご紹介いたします。
サッカーの名門アヤックスでは、7歳から12歳の子どもについて、練習量の40%がサッカー練習以外に充てられる。
最新鋭の施設を有するこのクラブチームが目指すのは、単なるサッカー選手ではなく万能型アスリートを生み出すこと。トップチームのフォットネスコーチを務めつつ、運動技能強化を担当するレネ・ヴォルムハウト氏は以下のように説明する。
「7歳から12歳の子どもについては、サッカー技能の向上は求めていない」
「走る、跳ぶ、投げる、捕るといった、コーディネーション能力のあらゆる面を伸ばしていきたい。競技に関係なく、アスリートには確かな土台が必要だと私は信じている」
そして、この年代では柔道と体操の比重が大きくなっている。
ヴォルムハウト氏によると、「柔道と体操には、私の注目する基本運動技能が盛り込まれている」「柔道は体を鍛えられるだけでなく、メンタルのトレーニングにもなる。規律を学ぶことができるし、負けることや勝つこと、一緒に作業することについて知る事ができる」
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代表 坂東真夕子






















